近松おこめの秘密基地

ほっと一息。ちょっとお得。

気軽な気持ちで登ってはいけない。神の山「三輪山」に挑んだ一人の男の物語

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GW2日目を迎えた日曜日の朝。男は・・・・休日を謳歌していた

 

ファーーーwww

昼間っから寝転んでゲームするの最高過ぎワロタwww

 

その男にとっては久方振りの休日だった。元々、出無精で引きこもりがちな男にとって、休日にどこかに行くなどという選択肢は皆無。その日も、もちろん家から出るつもりは毛頭なかった。

 

しかし

 

・・・・そうや

三輪山いこう

 

それは突然のことであった。なぞの啓示を受けとった男は、足早に準備を済ませると、家を飛び出し目的地へと駆け出した。

 

時間はすでに11時に差し掛かろうかというところ。時間はあまり残されていない。計画もお金もない。男の行動はどう考えても無謀。馬鹿としか言えない愚行である。

 

しかし、五月晴れの空だけはそんな男の愚かさを笑い飛ばすように綺麗に晴れ渡っていた。まるで、男の背中を優しく押しているかのように。

 

かくして、男にとって長い長い1日の冒険が始まったのだった・・・

 

第一章:神の山「三輪山」

 

三輪山ってところがすごいらしい

へえ~

 

それは何ともない日常の会話。スピリチュアルな話が好きな母親の何気ないつぶやきから始まった。男はこのつぶやきから三輪山の存在を知ったのだった。

 

男は昔から神社やお寺に引き寄せられやすい特性があった。旅行などでブラブラと散歩をしていると大抵神社にたどり着いてしまう事を常々不思議に思っており、自然と神社に一定の関心を持ってはいた。

 

その為、そんな何気ない会話が何となく頭に残って離れなかったのだが・・・

 

まぁ遠いし行くことはないわな〜

 

ずっとそう考えていたのだった。確かに興味はあるがそれは自分とは関係のない話。そう自分に言い聞かせて、平穏な日々を謳歌していた。

 

 

そんな男に転機が訪れたきっかけは、いつもと変わらぬ通学時のほんの些細な出来事だった。

 

何気なく見つけた「大神神社」の広告。男は全く気づいていなかったが、いつも使っている駅には、ずっと「三輪山」を祀る神社である「大神神社」の広告が貼ってあったのだ。

 

つまり、男と三輪山はもう3年間も繋がっていたのである。

 

 

この事実を知った時、男は決意した。

 

いつか、三輪山に行こう

 

 これが、今から約3ヶ月前の出来事である。

 

第二章:多々語られる不思議な話

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三輪山はパワースポットとしても有名な場所である。かの「オーラの泉」で江原啓之氏もこの場所を、紹介している。

 

そんなスピリチュアルな場所の為なのか、三輪山にまつわる不思議な話は数多く存在する。

 

例えば、登拝中に泥だらけになったはずの身体が全く汚れていなかっただとか

 

それなりにハードな道のりにも関わらず、普段全く運動していない人間が、全く疲れずに登り切れただとか

 

嘘か真かの真偽はあれども、調べてみると、非常に多くの話が湧き出てくる。

 

 

 

その中にこんな話がある。

 

 

曰く、山に呼ばれていない人間はどんなに行きたくても、たどり着くことが出来ない

 

 

実を言うと男は、これまで既に2回ほど三輪山に行こうと試みるも、突然の授業や天候の影響でずっと行く事が叶わなかった。

 

ま、まぁたまたまっすよね〜

 

内心ガクブルである。正直、計画が2回も頓挫した段階で行こうという思いはほとんど消え失せていたのだが・・・

 

 

しかし、よく考えてみると、今まで行けなかったのはある意味当然だと言えるのである。

 

 

なぜなら、男は計画を立てて神の山に向かおうとしていたから。

 

 

考えてみてほしい。もし、友達や取引先が自分の都合だけを考えて、一方的に作ったアポを取って、やって来ると言い出したとしたら。

 

誰しも少なくとも良い気はしないだろう。ましてや相手は知り合いでも友達でもない。神様である。

 

おそらく男に足りなかったのは、そんなある種の当たり前の考え方だったと言える。

 

いくら神様が寛大でも、都合が悪い日くらいあるだろう。1度や2度断られたくらいで諦める気持ちなら、それは行けなくて当然。本当に行きたいなら何度だって挑戦するべきはずだ。

 

 

そうして考えてみると、今日行く事になったのは半ば必然だったのかもしれない。

 

スッキリと晴れわたった空。気候も上々で、今日はどう転んでも1日中晴れである。

 

誰だって、こんな日に機嫌が悪い事は少ないだろう。

 

 それに例え、神様が男を拒んでいたとしても、まさかいきなり来るとは想定外のはず。言い方は悪いが不意をつける。

 

 

準備は整っている。

 

 

後は勇気と共に歩み出すだけだ。

 

第三章:旅の始まり

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そうして、男は最寄り駅の少し前の駅である「近鉄桜井駅」に辿り着いた。ここから目的地の三輪山までは、約1時間弱かかるといったところだ。

 

電車が少しだけ遅れて到着した影響もあり、この時点で、時刻は12時30分ほど。三輪山は14時までに受付をしないと登拝が許されないのでかなり余裕がない状態である。

 

最寄り駅の「JR三輪駅」まで行けば、2〜30分歩けば目的地の三輪山まで到着する。しかし、三輪駅までの電車は58分まで来ない為、待っているとかなりの時間ロスになってしまう。男は覚悟を決めた。

 

 

もうここから歩いて行くしかない。

 

 

しかし、ここで男は洗礼を受ける。

 

神のいたずらなのだろうか。全く不思議な話しではあるが、きちんと目的地を設定したマップに沿って進んでいたはずなのに、気付けば周囲をグルっと1周して駅まで戻って来てしまったのだ。

 

大幅な時間ロスである。やはり来るのを拒まれているとしか考えられない。

 

あぁ、これあかんやつや・・・

 

男は泣きそうであった。というよりも、軽く泣いてすらいた。こうして考えてみると電車が少し遅れたのも何らかの理由があっての事とも思える。

 

もう帰ろう。絶対帰った方がいい。

 

でも、せっかくならきちんとお参りしたいっ!

 

揺れる気持ちの間で葛藤しながらも男は1歩1歩と歩を進めていった。

 

そして・・・

 

 

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ついに男は、大神神社まで辿り着いたのだった。

 

時刻は1時5分といったところ。ギリギリセーフである。

 

夢描いた場所。対面の刻は近い。

 

第四章:いざ参る、神の山

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「大神神社」の拝殿まで辿り着いた。

 

先ほどの、写真の鳥居からまっすぐ5分弱ほど歩いた場所にある、大神神社の中心に位置するような場所である。

 

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ちなみに境内の地図はこのようになっている。目的の「三輪山登拝」を行うためには、狭井神社という場所まで向かわなければならない。

 

 

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狭井神社は拝殿から少し離れた場所にある。この時点で1時10分になっていた。間に合いはするだろう。しかし、急がなければならない。

 

 

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階段を下り祈祷殿という場所までやって来た。

 

 

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そこに、狭井神社へと続く「くすり道」が存在する。この道を道なりに沿って歩く。

 

 

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くすり道を歩き終えると、看板に沿ってさらに道なりに進む。目的の狭井神社はもうすぐだ。

 

 

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到着した。

 

時刻は1時15分。男は何とか間に合ったのだった。

 

さっそく入山と行きたいところだが、その為にはまず、入ってすぐの場所で神職の方から入山に関する説明を受け、簡単な書類を書く必要がある。

 

ちなみに入山の為には、300円のお金が必要であった為、男の全財産はここで676円となった。

 

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書き終えた書類を神社の右手の場所に提出し、タスキをもらうと、いよいよ登拝の準備は完了だ。

 

 

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これが、「三輪山登拝」のための入り口である。

 

 

さぁ、もう後は登るだけだ。

 

 

色々なことが頭をよぎる。思えば長い道のりだった。行くと心に決めてから3ヶ月。繋がりを持ってからは既に3年。

 

ここに来るまで、かなり多くの試練があった。正直怖かった。けれど、男は五体満足に辿り着いたのだ。

 

 

いつのまにか、心は穏やかな気持ちとなっていた。やっと本当の意味で、登拝する準備が整った瞬間だったかも知れない。

 

ずっと見守り続けてくれたこの山に・・・

 

 

いざ、感謝の気持ちを伝えに行こう。

 

 

首から下げたタスキを強く握りしめ、男は入り口へと足を踏み入れて行ったのだった・・・

 

第五章:旅を終えて

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山の中で男がどういった物語を繰り広げたのか。

 

それは残念ながら、男が話す事はない。三輪山で体験した事は口外してはいけないという暗黙の了解があるから。

 

しかし、まぁそれなりに険しい道であった事は確かだった。普段、あまり運動をしない者にとってはかなり辛い道のりであると察せられる。もし登拝するなら、少なくとも水分タオル麓に置いてある杖は絶対に持っていくべきだ。

 

所要時間は片道1時間ほど。中に入るとトイレも給水所も何もないので、入る前に済ませておかなければならない。

 

 

あとの事は、実際に自分の目で確かめてみてほしい。ネットの情報というのは当てにならないものが多いから。

 

1つ言えるのは、男にとってここでの経験は間違いなく忘れられない思い出になったということだ。

 

 

ヘトヘトになって山を降りた男は、借りていたタスキを返し、登っている最中からずっと楽しみにしていたある場所へと向かった。

 

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それが、この薬井戸」である。

 

曰く霊験あらたかな湧き水で、万病に効くと噂されるご神水を無料で飲む事ができる。

 

狭井神社拝殿の右手に位置しているこの場所を、到着してすぐに見つけた男は心に決めていた。

 

おれ・・・無事登り切ったら、あそこの水を飲むんだ

 

置いてあるコップにジョボジョボと水を汲み、ゴクゴクと喉を鳴らしながら一気に飲み干すと、なんだかやっと現実に戻って来たような不思議な感覚に包まれた。

 

実感が胸に込み上げてくる。

 

「三輪山登拝」

 

男はついに成し遂げたのだ。もう何も思い残す事はない。

 

 

さぁ帰ろう。我が家へ。

 

終章:また会う日まで

 

長い旅もいつかは終わる。念願ついに果たし、清々しい気持ちで、男は行きと同じ大きな鳥居をくぐって家路を急ぐ。

初めて来た場所のはずなのに、不思議と田舎のおばあちゃん家を後にするかのような、懐かしさとどこか寂しい気持ちを胸に感じた。

 

帰り道は疲れもあったのか、ほとんど憶えていない。

 

しかし、混んだ電車に揺られ、遠ざかっていく三輪山の景色だけはいつまでも忘れる事はないだろう。男は見えなくなるまで眺め続けていた。

 

三輪山が見えなくなると同時に、男はゆっくりと目を閉じ、満足気に眠りの中にいざなわれていく。

 

電車が、目的地に着くまでの短い時間。

 

こんなに穏やかに眠れたのはいつぶりだろうかというほど、男は深くそしてぐっすりと眠ったのだった。

 

 

 

「ありがとう、三輪山」

 

 

 

 

 

 

 

 

っていう感じで小説っぽくまとめてみたんだけど・・・これ自伝みたいな感じで売ったら金儲けできるんじゃね?

 

いまの一言で全部台無しですね。

 

 登拝に行かれる際はこちらのブログもご覧下さい!丁寧にまとめられていて非常に参考になりました!